ウクライナ分割か

こやまあきゆき

2014年04月19日 17:07

京都にロシアレストラン「キエフ」がある。
今のウクライナ情勢を考えると、微妙な名前だ。
しかし、これが正しい姿だ。
ウクライナ・ロシア・ベラルーシーは、同じギリシャ正教で、同じ東スラブ系の民族が最も多いキエフルースキーの後継でもある。

しかし、ロシアは連邦共和国の多民族国家だ。
ロシア人が圧倒的に多いが、そのロシア人と呼ぶのはウクライナ人と同じ系列のロシア人ばかりではない。
ユーラシア大陸で、様々な民族が大移動を繰り返しているの中で、多民族同士の様々な結婚もたくさんあるので、結局
そこで、ロシア人を名乗る人が圧倒的に多いだけだ。次にロシアでは、タタール系の人が多い。クリミアタタール意外にも
ロシア国内にたくさんいる。そしてウクライナ人も。

反対にウクライナは、併合されたクリミアがロシア人が突出していたが、東ウクライナでもロシア人の方が圧倒的に多い地域は
ほとんどない。基本的にはウクライナ人の方が多数派である。但し半分近くロシア人が住む地域も2箇所ある。

ウクライナで、ウクライナ人の国を作ろうとすると、まずロシア人が反発するのは必然だ。ウクライナはロシアから離れると
ポーランドに支配されたり、なかなか自力で独立できない。結局西欧の参加に入るだけだから、今のEUがウクライナを支えきれる
とは思えない。経済が悪化すると結局不満分子がまた政局を転覆させるから、どうしても強引にEUに入ろうとすると、東ウクライナの
一部を手放さなければロシアが納得しないだろう。それは、ロシアのご機嫌取りではなく、東ウクライナに住むロシア人がEU入りする
ウクライナに残りたくないからだ。

ウクライナは「キエフ公国」をルーツとして、「ロシア公国」から大きくなったロシアとは、別の歴史を持つと主張する。しかし、そんであるならば
「キエフ公国」の大きさだけでいいのだろうか?一番東に「キエフ」がある。つまり東ウクライナは、ウクライナでないというのだろうか?

ウクライナとは、ロシア語では端っこの方の地域を指す言葉だと聞いたことがある。
「大ロシア」「小ロシア」「白ロシア」と言っていたルースキー3兄弟時代に、小ロシアと呼ばれるのに憤慨して、「ウクライナ」と呼ぶようになったと教えてもらた。確かにロシア人は大ロシア・ウクライナ人は小ロシアと言われたら、大はいいけど小はがまんできない。

しかししかし、ロシア人とウクライナ人は、それほど仲悪くなかったはずだ、むしろポーランド人やアルメニア人やもちろんトルコ人やもっと
距離のある民族がたくさんいる。

フランスのナポレオンもドイツのヒットラーもロシアに勝てなかった。あの強大な多民族国家を相手にして勝てるなんて本来考えられない。
歴史的にも、日本とバルチック艦隊の戦いぐらいだ。

だからこそ、アメリカの出る幕じゃない。NATOで戦う場合じゃない。テレビの評論家たちが、ロシアが天然ガスを止めたら自分が困るとか、
西欧貿易がなくなったらロシアは困るとか言ってるが、BRICSで欧米都争って今困るのは、中国だけだろう。ロシアはまったく困らない。
そこで天然ガスを止められ、ウクライナを抱えて欧米はどうするつもりだ。ギリシャだけでもあんなに経済危機に陥ったのに、イタリア・スペイン
・ドイツにフランスまで打撃を受けて旧東欧の多くを支えなければならないのに。

結局歴史は繰り返す。

ソビエトも今の中国もEUもアメリカも大国が大きくなりすぎて、勢力を広げていくとあちこちからほころびが出てきて、民族紛争屋独立運動屋
一気にあちこちから穴があいてくると、ソビエトが解体したように、せっかく大きくなったEUも中国もガタガタになってくる。

中国の経済成長の鈍化は、今始まったばかりだけですまないだろう。欧米が何度か危機を乗り越えてきているが。ウクライナ情勢は大きく
足元をすくわれるだろう。なぜなら経済支援しないと自立できない国がおんぶにだっこでEUに入ってきたら、その結果で天然ガスが止まったら
ドイツに始まって、助ける方がこけていく。フランスとドイツが引っ張っていたEUをアイルランド問題も収まったきたとは言いえ、ベネルクスやまるでハンザ同盟といわれた国々が支えられるだろうか?

一番事情通なのは、ロシアレストラン「キエフ」という名前のお店かもしれない。両国の関係者がたくさん来られているからだ。
東京なら外交問題になるが、京都なら文化交流でいつも仲良くしている。

やはり中立の立場で日本が、両国が争わずにすむようにあいだに入るべきだと思う。NATOのアメリカが出るまくちゃない。
もしかするとイスラエルかもしれない。
減ったとはいえロシアにはユダヤ人の方もまだまだ多い。アメリカでは少数派ながら実権を握っている。
NATOとロシアの仲介をイスラエルがする?
やっぱり日本が動くべきでしょう。

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